命の灯が消える、その時まで
「…えっと、あなたは? 」
とりあえずそれが分からなきゃ、何にも始まらない。
「え? ああ! ごめん! みんなあたしのこと知ってるから、君も知ってるかと思ってさー。ごめんね」
みんな知ってるって、あなたそんなに有名人なの!?
いや、確かにかわいいけども!
しょぼんと眉を下げた彼女。
私は慌てて口を開いた。
「私の方こそ知らなくてごめんなさい! ちょっといや激しくぼっちだったので、結構世間知らずなんです! ごめんなさい! 」
…激しくぼっちってなんだよ。
もはやよく分からない言い分だけど、今にも泣きそうだった彼女の表情は、若干明るくなった。
「そっかぁ。お友達いなかったんだね…。じゃあ、あたしが君のお友達第1号になる! 」
そう彼女は宣言して、花のように笑った。