命の灯が消える、その時まで
「で、君の名前は? 」
そう訊かれて、まだ名乗ってすらいないことに気付いた。
「えっと、濱時 実織です。よろしくお願いします」
「おっけ、実織ね。あたし高2だけど、実織は? 」
「私も…高2です」
そっかぁ、と頷きながら私の顔をまじまじと見る朝河さん。
「あの、朝河さん? 」
「真夕」
「じゃあ真夕さん? 」
「"さん"いらない」
「…ま、ゆう」
「なに? 」
「私の顔に、なんかついてますか? 」
真剣にそう訊ねると、思いっきり笑われた。
「はははっ、なんでそうなんだよー! 実織って面白いな! 」
私は訳が分からず、固まるばかりだった。