命の灯が消える、その時まで



夜。


あの後、真夕は黙って部屋を出て行った。


私はというと、ご飯を運んできてくれた看護師さんも、荷物を持ってきてくれたお母さんさえも、冷たく当たった。


消灯時間を過ぎた病室で、1人布団にくるまっている私。



黒い、モヤモヤした感情が頭の中を支配して。


胸さえも支配して、眠気をどこかへ追いやってしまう。



なんで彼女は私の病気のことを知っていたんだろう。


なんで…?

あーもう!
モヤモヤして眠れない。

ちょっと風に当たりに行こう。



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