命の灯が消える、その時まで



1人部屋だから周りを気にする必要はない。



布団を剥ぎ、入院着を脱ぎ捨て、お母さんが持ってきてくれた荷物の中から青いシャツと白いプリントTシャツ、細身のジーンズを取り出し、着替えた。


長い髪の毛は黒いゴムでポニーテールに結いあげ、同じく荷物に入っていた水色のシュシュをつける。



たいして視力が悪いわけではないから、メガネも置いていこう。



少しいつもと違う自分を窓に映してみる。


なんだか強くなれた気がした。



そしてスマホだけを持って、窓を開ける。


ここは4階だけど、すぐ横に非常階段があるからそれで下に降りればいい。


私はグッと、窓枠を蹴った。



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