命の灯が消える、その時まで
第2章
*・*・*
…なぜこんな状況に。
今、私は中庭のベンチに巳影くんと並んで座っている。
持ち出してきた五線譜に、カリカリと音符を刻み込んでいる私だけど、心臓はドキドキとなりっぱなし。
その元凶はもちろん巳影くん。
当の本人は涼しい顔しちゃって、満月を見上げている。
ちらっとそんな横顔を見て、ため息をつく。
もう、なんでそんなにかっこいいの!
お互いに喋らないけれど、なぜか苦しくない沈黙。
そんなことより、巳影くんはそんなに空を見上げてて、首が痛くならないのかな?