命の灯が消える、その時まで


「今日は熊沢先生と検査をしてね。午前中はもう1度病気の検査。午後は定期検査の説明ね。お母さんは午後いらっしゃるそうよ」


高瀬さんが持ってきてくれた朝食を口に入れながら、今日の予定を聞き流す。


そんな私を見ながら、高瀬さんは苦笑した。


「まぁ、私が迎えに来るんだけどね」


私も顔を上げて、ニカッと笑った。


私が創り出した「高瀬さん」とこの高瀬さんの大きな違いはここ。


私が創り出した「高瀬さん」は生真面目でしっかりした看護師さん。

こっちの高瀬さんは明るくて、元気な看護師さん。


私的には生真面目な方が関わりやすくていいけど。


まあ、たまにはこんな人と関わるのもいいよね。



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