命の灯が消える、その時まで
部屋に着くなり私はベッドに倒れこんだ。
「そんなに疲れた? 」
笑いながら高瀬さんが話しかけてくる。
別に、そういうことじゃない。
ただ、精神的には疲れているけど。
枕に顔を埋めて、「はい」と返事をする。
聞こえたのか、感じ取ったのか、「そっか」と言うと、高瀬さんは窓のカーテンを閉めた。
暗かった部屋がより一層暗くなる。
かすかに顔を傾けて、視界に入った高瀬さんは、少し泣きそうに見えた。
「じゃあ私ナースステーションもどるね。なんかあったら呼んで」
扉のそばにあるスイッチをパチリと入れて電気をつけると、高瀬さんは部屋から出て行った。