命の灯が消える、その時まで
しばらくそのままウトウトしていた。
どのくらいそうしていたのか。
急に扉が開く音がした。
驚いて頭を上げると、そこには藤塚くんが立っていた。
「あ、ごめん、起こした? 」
「ううん。別に寝てなかったし」
少し冷たく当たってしまうのは許して欲しい。
だって、私も気が立ってるんだもん。
そんな私に構いもせず、制服姿の藤塚くんはベッドのそばの椅子に腰を下ろした。
「ふーん、お前元気そうじゃん」
「藤塚くんこそ。患者さんなのに学校行ってるの? 」
「俺は持病の関係で入院してるだけだからな。もうすぐ学校休んで入院だけど」
「そうなんだ」
「学校の先生に頼んでさ、留年しないギリギリの出席日数で登校してんの。それで夏はもうすぐ入院できるんだ」
「夏は? 」
「あー、シーズンオフだからさ、夏だけ普通に入院してんの」
シーズンオフ?
一体なんのだろう。
なんとなく気になったけど、面倒で考えるのをやめた。