命の灯が消える、その時まで



しばらく藤塚くんと話して…というより藤塚くんが一方的に話すことを聞いていたら、あっという間に夜の7時前になっていた。


もうすぐご飯の時間だ。



「あ、俺そろそろ帰るな」

「うん」


椅子を元の場所に戻して、部屋を出ようとした藤塚くんは、部屋を出る直前で私を振り返った。



「なあ、朝河 真夕って知ってる? 」

「え、あ、うん」

「そうか…」


藤塚くんは顔を伏せると、そのまま部屋の外へ去っていった。



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