命の灯が消える、その時まで


スマホの画面に指を滑らせる。


脳内に浮かんだフレーズを書く、書く、書く。



どうしたら読みやすいか。

みんなが楽しめる内容ってなんだろう。

どんな表現にしたら綺麗かな。


私の頭の中はそればかり。


この瞬間だけは病気のことを忘れられる。

でも、時にはそれをわざわざ思い出して、病人としての正直な私の気持ちを綴る。



こうして着々と、私の小説は完結に向かっていっていた。




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