命の灯が消える、その時まで
また扉がノックされる。
「誰だろ、高瀬さんかな? 」
「あ、実織も担当の看護師さんみゅーちゃんなの? 」
「みゅーちゃん? 」
「ああ、高瀬さんのこと。高瀬 心優(たかせ みゆう)ってのがフルネームだからみゅーちゃん」
「な、なるほど」
あの高瀬さんならそんなあだ名も許してくれそう。
「でもそれにしては早くない? 」
「え、そうなの? 」
「みゅーちゃん、結構担当してる患者さん多いから、4階まで回ってくるのは6時とかだと思うんだけど…」
さっと時計を確認すると、ただいま午後4時半。
確かに早い。
2人で頭を悩ませていると、急に扉が開いた。