命の灯が消える、その時まで
昨日のベンチには、もう巳影くんが座っていた。
『み、巳影くん! 』
振り返った巳影くんは、月光を浴びてキラキラ輝いていた。
端正な顔立ちも、はちみつ色の髪も、月の光をまとって、より美しく、神秘的に見える。
『よぉ』
『えと、どうしたの? 』
『返事、聞こうと思って。あの意味分かっただろ? 』
『な、なんでそれを! 』
『夕凪にあれの意味教えたの俺だし』
『え、嘘! 』
『ほんと。お前なら絶対あいつに訊くだろうなって思ったたから、訊かれたら連絡しろって言ってあったんだ』
な、なんか…。
『は、反則だよ…』
『どうとでも言え』
なんだか得意げな巳影くん。
私はぷくっと頬を膨らませた。
すると突然私の目を塞いだ巳影くん。
『な、何!? 』
『こっち見んな』
こっち見んなって、そんな勝手な…。