命の灯が消える、その時まで


ボソリと巳影くんが何がを呟く。


『え、何? 』

『なんでもねぇ』


私は力ずくで巳影くんの手を目から離した。


『え、真っ赤…』

『だっから見せたくなかったんだよ…! 』


巳影くんの綺麗な顔が、微かな明かりでも分かるほど赤くなっていた。


『…かわいい』


思わず呟くと、巳影くんにギロッと睨まれたので、私は首をすくめた。



『で、返事は? 』


恥ずかしいのか、顔を隠しながらそう話を変える。


『え、返事? 』

『だーかーらー、昨日の返事だよ』

『あ、ああ! 』


私は返事の代わりにぎゅっと巳影くんに抱きついた。


『うおっ! 』

『月が綺麗だね、巳影くん』


私がそう言うと、巳影くんは私の背中に回した手にぎゅっと力を入れた。



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