命の灯が消える、その時まで



学校を辞めた私だったけど、真夕に誘われて院内学級に通うようになった。

院内学級には高校生は私たちを入れて3人。

もう1人の"同級生"は男の子。


村澤 奏(むらさわ かなで)くん。


実は真夕、この村澤くんに片思いしているらしい。



村澤くんは切れ長の目とストレートの黒髪、シュッと通った鼻筋に薄い唇と、かなりのイケメン。


黒縁メガネをかけて勉強に励む姿は、恋愛的な好意を抱いてない私だってドキドキしちゃう。



でも、こう見えてスポーツマンの村澤くん。

入院する前はずっと野球をやっていたらしい。


だけど、高校に入って入院して手術をしなければならないほどの、大きな肘の故障をしちゃったんだって。


病院の外に出ればまた無理しちゃうからと、半ば無理やり今も入院生活を強いられている村澤くん。


でも、来年の甲子園に出場することを目標に、リハビリを頑張っているそう。



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