命の灯が消える、その時まで
「先生、濱時の机、クラス解散の時までここに置いといちゃだめですか? 」
「な、何言ってるんだ藤塚」
「濱時だって、大事なクラスの仲間だろ? 確かに退学しちまったけど、せっかくの縁なんだ。机くらい残しとこうよ」
明らかに戸惑いを示すクラスメイト。
だけど、俺の親友の雅斗(まさと)が椅子を蹴倒して立ち上がった途端、さっと静かになった。
「いーんじゃねーの、別に。机が1個なくなったところで大したスペースが生まれるわけでもねぇだろ。だったらたかが机くらい、置かせとけよ」
さすが雅斗。
みんなが押し黙る。
雅斗は学校きっての問題児。
根は悪いやつじゃないけど、ちょっと喧嘩っ早いのと、明るい金髪っていうのもあって、わりと周りから恐れられてる。
だけど、雅斗をあんな風にしちゃったのは俺なんだ。