命の灯が消える、その時まで
第3章
*・*・*
相田 萌音、16歳。
本日、人生初の彼氏ができました。
お相手は楠 巳影くん。
巳影くんは、フィギュアスケーター。
なんだか私にはもったいない彼氏。
あの後誰にも見つからずに部屋に戻れた私たち。
別れ際に軽くキスされて、私の気分はもうふわっふわ。
寝ているとは分かっていても、すぐに夕凪ちゃんにLINEした。
送り終わると、プチっと電源を切って、布団に潜り込む。
幸せな気分で眠りにつこうとした。
その時だった。
『ぅ、ぐっ…! 』
突然の激しい腹痛。
私は脂汗をかきながらも、必死で体を丸めた。
前回は1週間前だった。
初めてこんなにお腹が痛くなったのは、入院した時。
今回は3回目だった。
だんだん間隔が短くなってる…?
でも、それを誰かに言ったことはなかった。
だって、知りたくないから。
先が長くないかもしれない未来なんて…。