命の灯が消える、その時まで



目を閉じ、脚を抱きかかえる。


大丈夫、私はまだ死なない。


死んじゃダメ。



次第に遠退く痛み。


1度くるまった布団から這い出し、ベッドサイドに置かれたペットボトルを捻る。


若干ぬるくなった水でも、喉を滑らかに滑るのが心地いい。


ゴクリと水を飲み下して、もう1度横になる。


一旦速くなった動悸は、なかなか静かになってはくれなかった。




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