僕は君に夏をあげたかった。
「……俺、治療を再開するよ」
「……佐久良くん……」
「またあの病院に戻って、治療をしてもらう。副作用があっても、身体が不自由になっても、それでも諦めない」
佐久良くんが私を腕の中から解放する。
涙を流し続ける私の頬に触れた。
「……松岡さんと生きていくために。この夏だけでなく、秋も冬も春も………ずっと生きていくために。
もう逃げない。自分の病気と体と戦っていく」
「佐久良く……」
「約束するよ。きっと、治療を終わらせて……帰ってくるって」
「…………」
私は何も返事ができない。
何を言えるというのだろう。
私には想像もできないほどの不安と苦しさと悲しみを抱えて、それでも前を向こうと踏ん張る彼に。
私なんかが何を言えるのか。
だから、ただ何度もうなずく。
励ましも、同情も、応援も、言葉にすると空々しくなりそうだったので
ただ彼を見つめて、深くうなずいて、私の気持ちを伝えようとした。
生きていてほしいと。
あなたと一緒に生きていきたいと。
その思い、を。
「………松岡さん」
「……佐久良くん」
「待っていて、くれる?」
「うん………」
ずっとずっと待っている。
あなたと生きていくために。
そして………
私も、もう逃げない。
佐久良くんと生きていくために、変わらないと。
「……佐久良くん……」
「またあの病院に戻って、治療をしてもらう。副作用があっても、身体が不自由になっても、それでも諦めない」
佐久良くんが私を腕の中から解放する。
涙を流し続ける私の頬に触れた。
「……松岡さんと生きていくために。この夏だけでなく、秋も冬も春も………ずっと生きていくために。
もう逃げない。自分の病気と体と戦っていく」
「佐久良く……」
「約束するよ。きっと、治療を終わらせて……帰ってくるって」
「…………」
私は何も返事ができない。
何を言えるというのだろう。
私には想像もできないほどの不安と苦しさと悲しみを抱えて、それでも前を向こうと踏ん張る彼に。
私なんかが何を言えるのか。
だから、ただ何度もうなずく。
励ましも、同情も、応援も、言葉にすると空々しくなりそうだったので
ただ彼を見つめて、深くうなずいて、私の気持ちを伝えようとした。
生きていてほしいと。
あなたと一緒に生きていきたいと。
その思い、を。
「………松岡さん」
「……佐久良くん」
「待っていて、くれる?」
「うん………」
ずっとずっと待っている。
あなたと生きていくために。
そして………
私も、もう逃げない。
佐久良くんと生きていくために、変わらないと。