僕は君に夏をあげたかった。
午前2時すぎにいつもの海で待ち合わせをした。
相変わらずの日差しで、健康な私でもクラクラするほどだった。
もっと涼しい時間の方がいいのではないかと思ったが、最近また色々な検査が始まったらしく、外出できる時間が限られているらしい。
…本当は、今日の外出もかなり無理をしてくれているのだろう。
そんなに無茶をしてほしくないと思う反面、そうして会える時間を作ってくれる思いを無下にしたくないとも心から思う。
次、いつ会えるかわからないなら尚更。
「……佐久良くん」
「こんにちは、松岡さん」
先に来ていたのは佐久良くんだった。
帽子をかぶり、日傘をさしている。
その傘の影に隠れる顔は青白く、頬だけいやに赤くなっていた。
でも、その穏やかな笑顔はいつもどおり。
だから私も笑顔を返す。
「……今日も暑いね」
そばによると、日傘をかたむけ私をいれてくれる。
1本の傘の下、私たちは寄り添った。
「……なんか、日傘で相合い傘って変な感じだね」
「本当に」
くすくす笑い合う私たち。
今日は波の音もどこか穏やかだ。
時間がゆっくりと流れるように感じる。
相変わらずの日差しで、健康な私でもクラクラするほどだった。
もっと涼しい時間の方がいいのではないかと思ったが、最近また色々な検査が始まったらしく、外出できる時間が限られているらしい。
…本当は、今日の外出もかなり無理をしてくれているのだろう。
そんなに無茶をしてほしくないと思う反面、そうして会える時間を作ってくれる思いを無下にしたくないとも心から思う。
次、いつ会えるかわからないなら尚更。
「……佐久良くん」
「こんにちは、松岡さん」
先に来ていたのは佐久良くんだった。
帽子をかぶり、日傘をさしている。
その傘の影に隠れる顔は青白く、頬だけいやに赤くなっていた。
でも、その穏やかな笑顔はいつもどおり。
だから私も笑顔を返す。
「……今日も暑いね」
そばによると、日傘をかたむけ私をいれてくれる。
1本の傘の下、私たちは寄り添った。
「……なんか、日傘で相合い傘って変な感じだね」
「本当に」
くすくす笑い合う私たち。
今日は波の音もどこか穏やかだ。
時間がゆっくりと流れるように感じる。