僕は君に夏をあげたかった。
「………麻衣ちゃん、ちょっといい?」
キャンバスを抱きしめる私の部屋に、あずささんが入ってきた。
私を見て、眉をひそめる。
すぐにそばまで来て、寄り添うように隣に腰を落とした。
「……麻衣ちゃん、どうしたの?佐久良くんのお母さんに……なにか言われた?」
「…………ちが………おばさんは………ありがとって言ってくれた。佐久良くんの絵を………もらってほしいって………」
「…そう」
「でも………絵が………佐久良くんの絵が………完成してなかったの………。佐久良くん、いつだって一度描いた絵は、きちんと書き上げていたのに………。
それが………できなかったの。とちゅうで死んじゃったから………できなかったの。
佐久良くん……絵を描くの、あんなに好きなのに………もう描けない……….死んだから………もう描けないんだ………。
佐久良くん………佐久良くんが………もう死んじゃったんだ。本当に本当に………もう……いないんだ………」
「……麻衣ちゃん」
あずささんが私を抱きしめる。
キャンバスを抱きしめる私の部屋に、あずささんが入ってきた。
私を見て、眉をひそめる。
すぐにそばまで来て、寄り添うように隣に腰を落とした。
「……麻衣ちゃん、どうしたの?佐久良くんのお母さんに……なにか言われた?」
「…………ちが………おばさんは………ありがとって言ってくれた。佐久良くんの絵を………もらってほしいって………」
「…そう」
「でも………絵が………佐久良くんの絵が………完成してなかったの………。佐久良くん、いつだって一度描いた絵は、きちんと書き上げていたのに………。
それが………できなかったの。とちゅうで死んじゃったから………できなかったの。
佐久良くん……絵を描くの、あんなに好きなのに………もう描けない……….死んだから………もう描けないんだ………。
佐久良くん………佐久良くんが………もう死んじゃったんだ。本当に本当に………もう……いないんだ………」
「……麻衣ちゃん」
あずささんが私を抱きしめる。