僕は君に夏をあげたかった。
「…そうです。松岡麻衣子っていいます」
「そうそう、麻衣ちゃんや!思い出した!大きなったなー。小ちゃいとき、この町に遊びに来てたん覚えとる?」
「……あ、す、少しだけ」
といっても、この店もおばあさんも覚えていないけれど。
おばあさんの人のよさそうな笑顔を見ながら、少しだけ申し訳ない気持ちになった。
「……それにしても、夏くんもやるやないの。早速、麻衣ちゃんと仲良くなったん?」
おばあさんのからかうような調子に、佐久良くんは苦笑いを浮かべる。
「もともと友達だったんだよ。俺たち、東京で同じ中学に通ってたんだ。俺が途中で引っ越しで、それっきりだったけど」
「あらー。ほいだら、偶然この町で再会したってことか。すごいな、この田舎でそんなことあるやなんて」
「……はは。確かにすごい偶然だよね。あ、おばあちゃん、アイスちょうだい」
佐久良くんはこの店の常連なのか、かなり親しくおばあさんと話している。
もっとも、それは彼の人当たりのよい性格からかもしれないけれど。
私たちは、それぞれ好きなアイスを選び、おばあさんにお金を渡す。
優しいおばあさんは、小さなお菓子をオマケにつけてくれた。
「……まあ、でも良かったな、2人とも。ここは海しかない田舎やけど、友達おるなら退屈せえへんな」
そしてうちのおじいちゃんみたいなことを言う。
「それに夏くん、最近体調いいみたいやね。こうして外に出れるようになって良かったな…」
(……え?)
「そうそう、麻衣ちゃんや!思い出した!大きなったなー。小ちゃいとき、この町に遊びに来てたん覚えとる?」
「……あ、す、少しだけ」
といっても、この店もおばあさんも覚えていないけれど。
おばあさんの人のよさそうな笑顔を見ながら、少しだけ申し訳ない気持ちになった。
「……それにしても、夏くんもやるやないの。早速、麻衣ちゃんと仲良くなったん?」
おばあさんのからかうような調子に、佐久良くんは苦笑いを浮かべる。
「もともと友達だったんだよ。俺たち、東京で同じ中学に通ってたんだ。俺が途中で引っ越しで、それっきりだったけど」
「あらー。ほいだら、偶然この町で再会したってことか。すごいな、この田舎でそんなことあるやなんて」
「……はは。確かにすごい偶然だよね。あ、おばあちゃん、アイスちょうだい」
佐久良くんはこの店の常連なのか、かなり親しくおばあさんと話している。
もっとも、それは彼の人当たりのよい性格からかもしれないけれど。
私たちは、それぞれ好きなアイスを選び、おばあさんにお金を渡す。
優しいおばあさんは、小さなお菓子をオマケにつけてくれた。
「……まあ、でも良かったな、2人とも。ここは海しかない田舎やけど、友達おるなら退屈せえへんな」
そしてうちのおじいちゃんみたいなことを言う。
「それに夏くん、最近体調いいみたいやね。こうして外に出れるようになって良かったな…」
(……え?)