結婚も2度目だからこそ!
番外編 吉岡先輩の心情
――彼女と初めて会ったのは、高校の体験入部のとき。
鎖骨くらいまである黒髪をふたつに結んで、化粧なんてもちろんしてない。スカートも校則通りの長さ。
少しおどおどとしていて、まだ垢抜けない、どこにでもいる普通の女の子だった。
その時、前の三年生がごっそりと引退してしまって部員が少なく、少しでも多くの一年生を入れたいと、部活紹介でなぜかソロを吹くことになった。
というのも、俺自身あまり自覚はなかったんだけど、どうやら女子の間では有名だったようで。
「アンタが吹けば、そのルックスと甘いトランペットの音で新入生がごっそり入ること間違いなし!」と部長と副部長に言い寄られ、半ば強制的に決まったようなもんだった。
結果部長たちの言葉通り、ほぼ女子の新入生が体験入部にやってきた。
目当てはどうやら俺らしい。
部長たちは新入生の人数の多さに喜んでいたが、純粋に楽器をやりたくて入ってきた訳じゃないことを知っているから、かなり楽器のパート決めに頭を悩ませていたようだ。
いざ入部となって、希望するパートになれずに辞めてく一年生もいたけど、それでも20人を超える一年生が俺たちと共に頑張ってくれた。
そんな一年生の部員のひとりが、鳴嶋京香。
彼女は滅多に俺に話しかけることはなかった。
ただ彼女の視線だけはずっと感じていて。
ふっと彼女を見ると、目が一瞬合ってすぐ逸らされる。
そして少し顔を赤らめて俯く。
そんな彼女が少し可愛いと思った。
鎖骨くらいまである黒髪をふたつに結んで、化粧なんてもちろんしてない。スカートも校則通りの長さ。
少しおどおどとしていて、まだ垢抜けない、どこにでもいる普通の女の子だった。
その時、前の三年生がごっそりと引退してしまって部員が少なく、少しでも多くの一年生を入れたいと、部活紹介でなぜかソロを吹くことになった。
というのも、俺自身あまり自覚はなかったんだけど、どうやら女子の間では有名だったようで。
「アンタが吹けば、そのルックスと甘いトランペットの音で新入生がごっそり入ること間違いなし!」と部長と副部長に言い寄られ、半ば強制的に決まったようなもんだった。
結果部長たちの言葉通り、ほぼ女子の新入生が体験入部にやってきた。
目当てはどうやら俺らしい。
部長たちは新入生の人数の多さに喜んでいたが、純粋に楽器をやりたくて入ってきた訳じゃないことを知っているから、かなり楽器のパート決めに頭を悩ませていたようだ。
いざ入部となって、希望するパートになれずに辞めてく一年生もいたけど、それでも20人を超える一年生が俺たちと共に頑張ってくれた。
そんな一年生の部員のひとりが、鳴嶋京香。
彼女は滅多に俺に話しかけることはなかった。
ただ彼女の視線だけはずっと感じていて。
ふっと彼女を見ると、目が一瞬合ってすぐ逸らされる。
そして少し顔を赤らめて俯く。
そんな彼女が少し可愛いと思った。