結婚も2度目だからこそ!
それからが、散々だった。


こんな状況になっても仕事を休む事は出来ず、どんなに早く仕事を終えて家に帰っても、京香の姿はない。
俺から連絡しても出る事は決してなかった。


電話が来たと思えば、離婚をする為の話し合いをする、という連絡のみ。

謝っても謝っても、その言葉は京香には響かなかった。


ファミレスで話し合いの場を設けられ、人の目に晒されて離婚の話を進められるのは辛かったし、何より一生見る事のない離婚届を目の前に出された時は、心臓が止まりそうなくらい怖くなった。


これを書いてしまったら、もう京香とは赤の他人になる。

もう、京香と歩む未来はないのかもしれない。



その時に初めて、自分のどれだけの酷い罪を犯したのかを、思い知らされた。

書く文字が震える。

それは婚姻届を書く時と全く同じ。



だけど、それを笑ってくれる人も、抱きしめてくれる人も、もう俺の前にはいなかった。





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