結婚も2度目だからこそ!
……いや、まさかね。
これは夢だと思いたい。
そう現実逃避しようとする。
けれど、部屋の匂いとか、ストッキングの上からやたらとひんやり感じる床の冷たさとか、手に持っているバッグやら花束やらのの重さとか、十分過ぎるほど身体に感じられて、これは夢じゃないんだ、って痛感させられる。
私の視線の先。
そこには自分の夫である圭悟と、見知らぬ女いた。
入籍が決まり一緒に住む事になって、足が痛くなるまで何軒も回ったお店で、ようやく見つけた理想のダブルベッド。
マットがいい感じに抵抗があって、長く寝ていても腰も痛くならないし、枕だってこのベッドに合わせて一番寝心地がいいとされる高さと固さにに調整してもらったもの。
掛布団だってそれ一枚で十分温かい高級羽毛布団。
そのお気に入りだったベッドに、圭悟と女が真っ裸でよろしくやっていた。
「・・・なにやってんの?・・・あ、ナニやってんのか」
その時の自分は、ショックというものを通り越してしまって、もう無表情だったと思う。
冷静につい、そう目の前の理性のぶっ飛んだ生き物に言ってしまった。
圭悟とその女は顔面蒼白で、圭悟の上に女が乗っかったまま、こちらに顔だけ向けて動かない。
なんだよこの男、女だけ動かして楽してんのか、なんて考えてしまった自分は相当下衆な人間だな、と噴き出してしまいそうになる。
「あ、いや、その、これは、違うんだ」
口をパクパクさせながら、圭悟は必死に弁明しようとしていた。
けど、その状態で一体どんな言い訳が出来るというのか。
鯉みたいにパクパクさせて、全く気持ち悪いったらありゃしない。
「……近日中に今後について、話し合いの為の詳細を連絡するから、必ず電話には出て。あ、その話し合いの時はちゃんとハンコ用意しておいてよね」
「え?あ、京香!あのそれって」
「言い訳なんか聞かない。もう圭悟とは終わり、離婚します。……上のオンナ、アンタにもちゃんと慰謝料請求するから。覚悟しておいてね」
「ちょ、ちょっと京香、待って!」
「待つわけないでしょ!こんな部屋に一秒たりともいたくはないのよ!」
そう吐き捨て、圭悟の制止も聞かずに私は部屋を出た。
これは夢だと思いたい。
そう現実逃避しようとする。
けれど、部屋の匂いとか、ストッキングの上からやたらとひんやり感じる床の冷たさとか、手に持っているバッグやら花束やらのの重さとか、十分過ぎるほど身体に感じられて、これは夢じゃないんだ、って痛感させられる。
私の視線の先。
そこには自分の夫である圭悟と、見知らぬ女いた。
入籍が決まり一緒に住む事になって、足が痛くなるまで何軒も回ったお店で、ようやく見つけた理想のダブルベッド。
マットがいい感じに抵抗があって、長く寝ていても腰も痛くならないし、枕だってこのベッドに合わせて一番寝心地がいいとされる高さと固さにに調整してもらったもの。
掛布団だってそれ一枚で十分温かい高級羽毛布団。
そのお気に入りだったベッドに、圭悟と女が真っ裸でよろしくやっていた。
「・・・なにやってんの?・・・あ、ナニやってんのか」
その時の自分は、ショックというものを通り越してしまって、もう無表情だったと思う。
冷静につい、そう目の前の理性のぶっ飛んだ生き物に言ってしまった。
圭悟とその女は顔面蒼白で、圭悟の上に女が乗っかったまま、こちらに顔だけ向けて動かない。
なんだよこの男、女だけ動かして楽してんのか、なんて考えてしまった自分は相当下衆な人間だな、と噴き出してしまいそうになる。
「あ、いや、その、これは、違うんだ」
口をパクパクさせながら、圭悟は必死に弁明しようとしていた。
けど、その状態で一体どんな言い訳が出来るというのか。
鯉みたいにパクパクさせて、全く気持ち悪いったらありゃしない。
「……近日中に今後について、話し合いの為の詳細を連絡するから、必ず電話には出て。あ、その話し合いの時はちゃんとハンコ用意しておいてよね」
「え?あ、京香!あのそれって」
「言い訳なんか聞かない。もう圭悟とは終わり、離婚します。……上のオンナ、アンタにもちゃんと慰謝料請求するから。覚悟しておいてね」
「ちょ、ちょっと京香、待って!」
「待つわけないでしょ!こんな部屋に一秒たりともいたくはないのよ!」
そう吐き捨て、圭悟の制止も聞かずに私は部屋を出た。