結婚も2度目だからこそ!
先輩の温かな音が、終わっても耳に残っている。
私を優しく包み込むような、そんな優しい音が。
「……そうだ。この後少し時間ある?ここ片付けたら、打ち上げまで少し時間あるからさ、ちょっとお茶でもしない?」
先輩はホールにある時計を指差して、私を誘う。
時間は夕方の4時を過ぎたところ。
この後、特に用事もない私はその誘いを受けた。
「は、はい。先輩がいいなら」
「じゃあロビーで待ってて。ぱぱっと片付けてくるからさ」
先輩はそう言うと、舞台へと戻っていった。
私も席を立ち上がって、ロビーにある椅子に腰掛けて待つ。
待っている間、電源を落とした携帯を取り出し、電源を入れた。
幸い圭悟からはあのメール一件のみで、他は来ていない。
そのことに少しホッとしてしまう私。
連絡なんてもう来ることはないと、アドレスを消去するのを忘れていた結果、こんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。
二度とぶり返されるのはゴメンと、来たメールを消去した後、圭悟の番号とメールアドレスを着拒登録し、再びバッグに携帯をしまう。
大した作業でもないのに、何故か大きな仕事をひとつやり遂げたような感じがして、思わずため息が出てしまった。
……これでいい。
今更なにを言われたって、もう私の気持ちは戻らないから。
私なんかに構わないで、私なんか早く忘れて。
圭悟にはいい加減、新しい道を進んでいって欲しい。
名前を聞くだけで、見るだけで。
真っ先に思い浮かぶのは、楽しかった思い出ではなく、あの時の記憶。
あの記憶がなくならない以上、私は圭悟と会うことすらできないんだから。
だからもう、お願い。
私をこれ以上苦しめるのはやめて――……。
私を優しく包み込むような、そんな優しい音が。
「……そうだ。この後少し時間ある?ここ片付けたら、打ち上げまで少し時間あるからさ、ちょっとお茶でもしない?」
先輩はホールにある時計を指差して、私を誘う。
時間は夕方の4時を過ぎたところ。
この後、特に用事もない私はその誘いを受けた。
「は、はい。先輩がいいなら」
「じゃあロビーで待ってて。ぱぱっと片付けてくるからさ」
先輩はそう言うと、舞台へと戻っていった。
私も席を立ち上がって、ロビーにある椅子に腰掛けて待つ。
待っている間、電源を落とした携帯を取り出し、電源を入れた。
幸い圭悟からはあのメール一件のみで、他は来ていない。
そのことに少しホッとしてしまう私。
連絡なんてもう来ることはないと、アドレスを消去するのを忘れていた結果、こんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。
二度とぶり返されるのはゴメンと、来たメールを消去した後、圭悟の番号とメールアドレスを着拒登録し、再びバッグに携帯をしまう。
大した作業でもないのに、何故か大きな仕事をひとつやり遂げたような感じがして、思わずため息が出てしまった。
……これでいい。
今更なにを言われたって、もう私の気持ちは戻らないから。
私なんかに構わないで、私なんか早く忘れて。
圭悟にはいい加減、新しい道を進んでいって欲しい。
名前を聞くだけで、見るだけで。
真っ先に思い浮かぶのは、楽しかった思い出ではなく、あの時の記憶。
あの記憶がなくならない以上、私は圭悟と会うことすらできないんだから。
だからもう、お願い。
私をこれ以上苦しめるのはやめて――……。