結婚も2度目だからこそ!
「……智樹」
「……うん」
先輩の鼓動とシンクロするように、私の鼓動もどんどんと早くなる。
先輩は小さな声で、私にだけ聞こえるように名を呼んだ。
顔を横に向けると、先輩と目が合った。
「京香……」
――唇が近付く。
私は無意識に瞳を閉じた。
唇に、先輩の温かな唇が触れる。
その瞬間、私の先輩に対する気持ちが、ぶわっと身体中から溢れていくのが分かった。
"好き"という想いが、身体全体を纏う。
唇を重ねながら、私は体勢を変えて先輩の首に手を回す。
離れたくない、と回した手に力が篭る。
やがて軽く触れていたものが、深くへと滑り込んだ。
ほんのりと口の中にアルコールが香る。
「ふぁ……」
思わず声が漏れた。
濃密なそのキスに、身体中の力が抜けてしまう。
重力に逆らえないまま、覆いかぶされた状態で私の身体はゆっくりと床へと落ちていく。
その間も、唇は塞がれたままだった。