結婚も2度目だからこそ!
言葉通り、次の休みに私の両親と智樹の両親と、それぞれ挨拶に行った。

ラフでいいと言ったのに、ちゃんとスーツを着て、私の両親に会う。

両親もまさかスーツで来るとは思わなかったんだろう。

物凄く驚いて逆にかしこまってしまったが、最後の方は父とお酒を酌み交わすほどに打ち解けていた。

母は、そんな智樹を見て今度は大丈夫だと確信を持ったらしい。
私に『二人仲良くやるのよ。早く孫の顔が見たいわ』なんて言われて。

それに対してなんとも返答できなかったけど、でも、そう言ってくれた事がとても幸せだった。


智樹のご両親もまた、私がバツイチである事に反対されるかもと、内心ヒヤヒヤしていたが、会ってみたらそんな事はなく、むしろ温かく迎え入れてくれて、涙が出そうなくらい嬉しかった。

どうやら智樹が、私の今までの事を前もって少し話をしていたらしい。

智樹の両親は、浮気や不倫をする人間を物凄い毛嫌いしていて、『智樹は絶対に、そんな最低な事をする子ではないから安心してね』と、念を押されたくらいだ。

私の両親も、智樹の両親もみんないい人ばかりで救われる。
智樹と一緒に進む事は、もっと険しい道であると覚悟していたから。

でも、良かった。
二度目でも快く受け入れてくれる人達がいて、私は凄く恵まれてる。




「さて」

智樹の両親への挨拶を終えた帰り。
マンションへと帰る車の中で、智樹は早速同棲話を始めた。


「お互いの両親にも話はしたし、引っ越しっても京香の服とか小物くらいだから、そんなに時間かからずに住めるな。どうする?いつ引っ越ししようか」

「いつ、か。いつにしよう……」

どの日が都合がいいだろう。
いつまたあの女に会うか分からない。できれば早めに一緒に住みたい。

私は携帯のカレンダーを見る。


一番近くて、予定のない日……。



と、ふとあることに気が付いた。
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