十九時、駅前
第6章
片桐課長と同居し始めて二ヶ月が過ぎた。

相変わらずうちに帰ってきて、
ごはんを食べて一緒に寝て。
そして出社する前に一度、
自分のアパートに帰る。
食べたいものがある日は、机の上にメモ。

やってることは
まるで付き合ってる男女のようだけど、
……私と片桐課長は
付き合ってる訳ではないのだ。
 

ある日廻ってきた、社内回覧。
ちょっと興味深そうな講習会が入ってた。

『中国茶講習』。

取引先のレストランで、
一時間の中国茶の講習会と会食付き。
取引先の担当は……片桐課長。

毎回、この手のイベントは
参加者が少なくて担当者は頭を悩ませてる。

お茶は好きだし、中国茶にも興味がある。
それに、片桐課長の力になれるんだったら。

「片桐課長。
この講習会、参加してみたいんですが」

「いいのか?」
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