十九時、駅前
その次の日も、片桐課長は休みだった。
何故か、胸の中が罪悪感で満たされる。
私のせいで雨に当たったから、
酷い風邪をひいたんじゃ。

「笹岡さん。あとで会議室、いい?」

「え?はい」
 
片桐課長のことが気になって、
手につかない状態で
ミスを連発しながら仕事をしていたら、
高来課長に呼ばれた。

……きっとお説教、だよね。
今日の状態からいって、仕方ない。
 
コンコン。

「はい」
 
指定された小会議室に行くと、
使用中にプレートが裏返されてた。
中からは高来課長の声。

「笹岡、です」

「入って」

「失礼します」
 
室内には高来課長ひとり。

「まあ、座って」

「……はい」
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