十九時、駅前
「二課の人間って、人が悪いのが集まってて。
新人にああいうの押しつけては、
困ってるのを楽しんでるんだ。
なのにおまえ、
他の課の前任者とかに聞いたりして、
ちゃんとやってただろ。
二課の奴ら的には面白くなかったみたいだけど、
俺としてはすっとした、っていうか」
 
……うん。
そのおかげか、暫くの間とーっても、
居心地が悪かったけどね。

「あのあと、
じみーに嫌がらせとか
受けてるみたいだったから、
潰れないか心配だった。
高来をせっついてみたけど、やっぱりな」
 
……ああそれで。
高来課長、あの頃一番、青い顔してたもん。

「あの日、食堂でおまえのことが可愛いとか、
話してる奴がいて、さ。
なんか焦って食事に誘ってた」
 
……ええ。謎のメモ、でしたが。

「……ただ、私を振り回して楽しんでるとしか、
思えませんでした」



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