十九時、駅前
エピローグ
あれから。
携帯の中を見ようとしたことは、
やっぱり決まり悪くて片桐課長
……樹馬さんにあやまった。

「で?結局中は見たのか?」

「みてないですけど。
だって、ロックが解除できないですし」
 
……はぁーっ。

大きなため息。
みられちゃまずいものでもあるのかと、
ちょっと悲しくなった。

「ロック解除はおまえの誕生日。
試してみようとか思わなかったのか?」

「……全然」

「そーだろーな」
 
私を抱き寄せると、目の前に携帯を見せる。
その指が私の誕生日の数字を押すと、
ロックが解除された。

「やましいものはないけど。
でも、恥ずかしいものが山盛り」
 
そういって開かれた画像フォルダの中は。
……寝顔を中心にした、私の写真ばかりだった。

「……隠し撮りばっかり」
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