ウサギの王子に見初められ。
「送ってくれてありがとう」
「どういたしまして。真奈ちゃん、お誕生日おめでとう」
見送ろうとしたら、三上くんが小さな袋を渡してくれた。
「え、プレゼント?」
「ごめん、そう言うほどのものじゃないんだけど。さっき慌てて用意したから」
気まずそうに言う。えー? 電話で言ったから?
どうしよう、恥ずかしい。催促したみたいになったのかな、そんなんじゃなかったのに。
「開けていい?」
「うん」
金属製のブックマークとのハンカチが入っていた。どちらもかわいい小鳥モチーフ。
「かわいい!私が小鳥好きって知ってた?」
「ペンとかスマホカバーとか、鳥だったかなと思って」
「すごい、さすが三上くん。ありがとう、こういうの好きなの」
ほんとすごい。シャーペンのトップについてる飾りは特に気に入ってるんだけど、あれ小鳥だって気づいてる男の人、開発には他にいないと思うよ。
「ほんと?よかった。ちょっと好みと違うとかがあるかと思って、緊張した」
「そんなことないよ。プレゼントもらえるなんて思ってもないから、どんなのでも嬉しいし、それにほんとにかわいいよ」
金色でトップに小鳥のチャームがついている曲線型のブックマーク。手帳に挟もうかな。すごいかわいい。
三上くんは「大したものじゃないけど、使ってくれるとオレも嬉しいよ」とまた少し恥ずかしそうに言って帰って行った。