ウサギの王子に見初められ。

遅い時間だけどお風呂に入りながら、今日のことを思い出す。私、ベッドで寝てたよね。もしかして、床から移動してくれたのか。

うそー。

寝てると人って重いんでしょ?ただでさえ軽くないのに、それに三上くんはマッチョじゃないのに、大変だったかな。

持ち上げようとして、思ったより重いなぁとか思われてたらやだなぁ。

声をかけたら自力で立ち上がったとかないかな。それはそれで図々しいな。ベッドで寝るって泊まる気か!って。



なんにせよ失敗したけど、三上くんがなんでもなさそうにしてくれたからよかった。

女の子といても自然な三上くんだけど、さすがにびっくりしたとは思うんだけどね、床に同期の女の子が落ちてたら。




だいたい男の人の一人暮らしのベッドで寝ちゃうって……なんか、ちょっと女子としてどうなんだろう私。

何があっても文句言えないだらしなさだけど、絶対なにもなかっただろうっていう、このなんとも言えない立ち位置。


別に色気なんてなくていいんだけど、それにしたってなぁ。

気をつけよう、いろいろと。



パーカーと鍵を借りっぱなしだ。明日返せるかな?いやもう今日だと気づいて、とにかく早く寝ようと思った。

< 22 / 67 >

この作品をシェア

pagetop