ウサギの王子に見初められ。
遅い時間だけどお風呂に入りながら、今日のことを思い出す。私、ベッドで寝てたよね。もしかして、床から移動してくれたのか。
うそー。
寝てると人って重いんでしょ?ただでさえ軽くないのに、それに三上くんはマッチョじゃないのに、大変だったかな。
持ち上げようとして、思ったより重いなぁとか思われてたらやだなぁ。
声をかけたら自力で立ち上がったとかないかな。それはそれで図々しいな。ベッドで寝るって泊まる気か!って。
なんにせよ失敗したけど、三上くんがなんでもなさそうにしてくれたからよかった。
女の子といても自然な三上くんだけど、さすがにびっくりしたとは思うんだけどね、床に同期の女の子が落ちてたら。
だいたい男の人の一人暮らしのベッドで寝ちゃうって……なんか、ちょっと女子としてどうなんだろう私。
何があっても文句言えないだらしなさだけど、絶対なにもなかっただろうっていう、このなんとも言えない立ち位置。
別に色気なんてなくていいんだけど、それにしたってなぁ。
気をつけよう、いろいろと。
パーカーと鍵を借りっぱなしだ。明日返せるかな?いやもう今日だと気づいて、とにかく早く寝ようと思った。