ウサギの王子に見初められ。
案内しながらなんとなく一人反省していると、三上くんも黙っていることにふと気づいた。えーっと、なんで? 珍しいよね、こういうの。
横を見ると、なんとなく不機嫌そう。ポケットに手を突っ込んで歩いてる。
「どうかした?」
「オレって、焼肉食べなそうなの?」
口を尖らすようにして聞かれて、反応に困る。
「遠藤に散々からかわれたんだけど、こないだ。細いとか女っぽいとか」
「え、そんな風に思ってないよ。マメだし料理も上手だし、私より女子力高くていいなぁと思ったりはするけど」
「女子力?」
ああー、失言した!
「えーっと、でも三上くんが女の子っぽいって意味じゃなくって。意外と男っぽくてかっこいいなって最近思うし」
慌ててフォローしようとしたら、なんかちょっと言いすぎた。ほんとだけど、ちょっと恥ずかしいかも。
「そう?だったらいいけど……女子力?」
まだ納得がいかなそうだけど、なんとなく機嫌は直ったようだ。いつもニコニコしている人が怒ってるとちょっとびっくりするよね。