海で出会った彼に
ありがとう
ただ泣いて
「ふぁぁぁ」
あれ…?ここは?
「あ、起きたのね?!」
「あの、ここは…」
「あなた、海で倒れてたのよ!!」
「…え?」
どういうこと?…私確かに海の家で寝たはず
「ここはね服屋なのよ?…あなた先週来たお客さんだったわよね?」
そう言えば…この人、確かに見た。
「…まだ具合悪いなら寝ててもいいのよ?」
「はい」
悪い夢でも見ているんだろう。そう思って私はもう一度寝ることにした。
が、胸騒ぎが収まらず眠ることが出来なかった。
ーガラガラー
「あら?もう大丈夫?」
「もう一度詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「え?あぁ。昨夜、海沿いの道を歩いてたら女の子が倒れてたのよ。それがあなただった」
うそ…どういうこと?!
ーガラガラ!!ー
「ちょ、あなた…」
私は、走った。靴も履かずに裸足で。だけどそんなの気にならなかった。