海で出会った彼に
「ありがとう、大好き」の気持ちを込めて
ーパサッー
「ん?」
写真…?あ、この子翼が好きって言ってた子。
「…あら。写真?」
「え?あ、はい」
「…翼からのかしら」
「…はい」
鷹島さんにはわかったんだろう。
「…あなた名前は?」
「前野 立海です!」
「そう!」
鷹島さん、笑った顔が翼にそっくりだ。
「お母さんー!!」
「あれ?」
「あ!」
このまえぶつかった、可愛い子だ!
「またあったね?」
「そうですね!…あれ?その写真…」
「あー!これ…」
「小さい頃から立海さん可愛かったんですね!」
え??
「私の名前?!なんで?それに小さい頃から…」
「この写真の子立海さんですよね?…お兄ちゃんは昔から立海さんのこと好きだったんですよ。このまえあった時も似てるって思って」
「うそ…」
翼は…私のことを好きでいてくれたんだ…
「翼…私、あなたに会えて良かった」
「ふふ」
「ん?」
「昔のお兄ちゃんと同じこと言ってます」
「え?」
「君に会えて良かった。好きだよ。立海」
翼…?
今、翼の声が風とともに流れてきたみたいだった。
心から思う。
人生とは素晴らしいものだと。…翼が教えてくれたことは全て私の胸に刻まれている。
「ありがとう。あなたに会えて私は幸せです。」
私はこの世界で…あなたが言ったことを決して忘れない。
あなたに笑って自慢できるような人生を、歩みます。
「大好き」