海で出会った彼に
海
「立海、辛いなら今日は学校休んでも良いのよ?」
「うん…大丈夫。いってきます」
昨日おばあちゃんが死んだ。だからお母さんは今日学校休んでも良いって言うけど、休んでると余計辛くなる。
「はぁぁぁぁ…」
長いため息をついてみる。けど、今の状況が変わるわけでもなく。
「あ、立海おはよう!」
「立海!!おっは〜」
「おはよ」
「おはよう。立海」
「………おはよっ!」
みんなの能天気な顔にイラっとした。けど、それを悟られないよう笑顔で挨拶をする。
私は、嫌なやつだ…。
「…つまんない」
授業中にボソッとつぶやいてみる。けど、やっぱり状況は変わらない。
「…楽しくない」
その一言で今の状況が変わった。悪い方に。
「ほうほう。なら前野、この問題解いてみろ」
「え?!ゴローちゃん…勘弁してっ」
ゴローちゃん。それはうちのクラスの担任で、数学の先生。
「…はぁ。数学が楽しくなくても授業は聞いとけよ。」
「はぁぁい…」