1ヶ月の(仮)夫婦

*ー*ー*ー*ー*ー*ー*

「っう………っぅ」

二人に洗いざらい話すと また涙がこぼれていた。止まらなかった、何度拭っても新しい涙が出てくる。

二人は何も言わずただ黙って話しを聞いていた。

「そして…鬼塚さんに助けて貰ったんです…」

「「……」」

「これが……全てです」

すべてを話した後、はっと我に返る。
なんで出逢ったばかりの人に全てを話すことができたのかな……人なんて簡単に信用できないって知っていたのに………

それくらい私は疲弊してしまっているのか……あるいは…

涙を拭いながら、延々と考えていると
突然、身体が暖かいものに包まれる。
あぁ、私 抱きしめられてる、そう理解するのに数秒かかった。
優しい、どこか懐かしい匂いに包まれて あれほど強張った身体が簡単に解されてしまう。

ずっとこうしていたいと思ってしまう。


私を抱きしめたのは壱麻さんだった。



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