イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「――いざわ。逢沢!!アンタ、聞いてんの!?」
「えっ?」
誰かに名前を呼ばれてハッと我に返る。
「うちらのこと無視しただろ!?」
「そんなつもりじゃ……」
どのぐらい名前を呼ばれていたんだろう。
3人の顔は怒りで殺気立っている。
「買ってきました……」
すると、タイミングよく柴村さんが頼まれていたジュースを手にこちらへ歩み寄った。
「おせーんだよ!」
それをひったくるように奪った綾香はコーラのペットボトルを上下に思いっきり振った。
嫌な予感がする。
椅子から立ち上がろうと思った時には、綾香はペットボトルのふたを開けていた。
「や、やめて!!」
ペットボトルから噴き出した大量の炭酸を顔面にかけられた。
「痛い……目が痛い……!!」
脳まで突き抜けるような目の奥の痛みに椅子から転げ落ちる。
「あははは!!ウケるんだけど~!大げさすぎだから!!」
綾香は笑いながらなおも痛みに悶絶するあたしの全身にコーラを吹きかけた。
全身が甘味料の独特な匂いに包み込まれる。
「うわっ……マジか……」
「ヤバくない?」
教室のあちこちから聞こえるクラスメイトの声には、同情だけでなく軽蔑も含まれていた。