イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
顔を押さえて痛みに耐えるあたしの背中を誰かが蹴り上げた。
その瞬間、息ができなくなり体を丸める。
「なに寝っ転がってんの?早く立ちなさいよ」
綾香の声が降ってくると同時に、グリグリと頭を床に押しつけられる。
「やめて……」
「ハァ~?なに?聞こえなーい」
「どうして……こんなことをするの?」
Yシャツの袖で必死に顔をぬぐい何とか目を開けて綾香たちを見る。
綾香たちは口元にうっすらと笑みを浮かべてあたしを見下ろしていた。
「どうして?そんなのアンタが目障りだから。見てるとイラつく。ただそれだけ」
「そんな……」
「つーか、さっさと立って教室から出て行きなさいよ。アンタがいると臭くてたまんない。ていうか、床がベタベタなんだけど~!着替えたらすぐに掃除してよね」
鼻をつまんだマミはロッカーからあたしのジャージを手に戻ってきた。
まるで汚い物でも触るかのようにあたしのジャージを指先でつまんでいる。
「持ってきてあげたんだから、感謝してよ」
マミはそう言うと、コーラでベトベトになってしまった床の上にあたしのジャージを投げつけた。
そして、グリグリと上履きでジャージを踏みつけた。
「あっ、ごめーん!これ雑巾じゃなかったんだ!」
「マミ、それは可哀想だって~。着替えなくなっちゃうもん」
みやびが他人事のようにクスクスと笑う。
「逢沢さん……」
コーラを買ってきてしまったことに責任を感じているのか、柴村さんは困ったようにその場に立ち尽くしていた。