イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

里ちゃんの言うとおりだ。

この3人は人間の顔をした悪魔だ。

そのとき、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。

それを合図に、あたしは床のジャージを拾い上げると、教室を飛び出した。

「ちょっと!掃除してからいけよ!!」

綾香の声が背中にぶつかる。

それを無視して走り続けて、教室から一番離れたトイレに駆け込む。

休み時間が終わり、授業が始まれば先生がやってくる。

そうすればきっと騒ぎに気付くはずだ。

次は偶然にも担任の若菜先生の授業だ。

先生もこれで気付くだろう。あたしがイジメられていることに。

このクラスに確かにイジメが存在することに。

これは賭けだった。

自分ではもうあの3人に立ち向かっていくほどの力は残されていなかった。

あの3人には里ちゃんの弱みを握られている。

あたしが綾香たちに刃向かえば、綾香たちの怒りの矛先は間違いなく里ちゃんに向かう。

もう二度と、里ちゃんの傷付くところなど見たくなかった。
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