イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~

記憶の中にいる小5の頃の美亜が声を押し殺して泣いている。


ねぇ、美亜。あの頃の美亜もこんなにつらかったの……?

苦しくて、つらくて、張り裂けそうな気持を抱えていたんだろうか。

イジメという行為はイジメている相手だけを苦しめ、傷つけるだけでは済まない。

その行為はじわじわと侵食し、時にその家族をも傷付ける。


綾香たちにイジメのターゲットにされてから、あたしは誰にも相談できずにいた。

一緒に住んでいるものの、叔母とは家の中で必要最低限の会話しかしない。

あたしももう高校生だ。

同居を歓迎されていたわけではないことぐらい分かっている。

だから、叔母にも相談できなかった。

言えば心配をかけてしまうことになる。

だったら、自分が我慢すればいい。

綾香たちとは高校を卒業すれば関係も切れる。

あと数年の辛抱だ。
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