イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
意外にも柔らかい羽根が一度胸元にあたり、素肌を滑り落ちていく。
「いやあぁぁぁぁああーーーー!!!」
自分が発したのが信じられないほどの悲鳴が出た。
ブンブンと顔を左右に振りながら、手足をバタつかせる。
その反動でゴキブリがあたしのお腹の上で飛び跳ねる。
全身に鳥肌が立った。
この世で一番大っ嫌いな虫が今自分の素肌に触れていると思うだけで発狂しそうになる。
「離してーーーー!!」
みやびとマミの手を振り払って立ち上がると、ジャージをまくり上げて腹部付近にいるゴキブリを床に落とした。
「うぅ……う……」
半泣きになりながら自分の腹部に視線を向けると、もげてしまったごきぶりの触覚や足がお腹にへばりついている。
ジャージその袖でそれらを落とすと、あたしは再びその場に座り込んで声をあげて泣いた。
今までされたどんな仕打ちよりも一番辛かった。
「うわぁ~、マジきったねー!!」
「ウケるんだけど~!綾香最高~!」
「ちょっと、やりすぎじゃない?あたし、虫って無理!」
綾香がケラケラと笑う中、みやびだけが顔を歪めている。