イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「5人グループになればいいんでしょ?」
「そうだけど……」
「だったら、あたしとマミとみやびは同じ班。その他は勝手に決めて」
綾香はそれが当たり前のようにサラッという。
「うちも綾香とみやびと同じ班がいい!」
マミが同調する。
「で、でも、それだとやっぱり余っちゃったりそういう人がでるかもしれないし、公平じゃなくなっちゃうと思うんだよ……ね」
里ちゃんが遠慮がちに言う。
「余っちゃう人?そんなのあたしには関係ないし。あたしたちのグループは3人だから、2人グループの子が入ればいいでしょ」
「でも、それじゃ……」
「は?何?なんか文句あるわけ?」
綾香は目を細めて里ちゃんを睨む。
里ちゃんは言い返せずに黙ってしまう。
「じゃあ、うちらは決まりで。みやび、黒板にあたしたちのグループの名前書いてきて」
「うん、わかった」
綾香に促されてみやびが席を立ち、黒板に勝手に【1班 沢木綾香、小山田マミ、渡部みやび】と名前を書いていく。
「じゃ、うちらは決まったからあとは好きに決めて」
綾香はそう言うと、マミとみやびに手招きした。
二人は綾香の席に集まって楽しそうにしゃべっている。
どんよりと暗雲の立ち込めた雰囲気の教室内に3人の楽しそうな声だけが響く。
みんな心の中ではズルいと思っているはずだ。
誰だって仲のいい子と同じグループになりたい。
それなのに、3人はクラス委員の里ちゃんを差し置いて勝手に決めてしまった。
クラスメイトは口には出さないものの、無言の抵抗を続ける。
「みんな……どうしますか?」
里ちゃんの言葉に、一人の女子が立ち上がって里ちゃんに近付いていきコソコソと耳打ちする。
次第に一人、二人、とその人数は増えていく。
あたしは席から立つことなく、柴村さんを見つめていた。
いつもと変わらぬ様子で下を向いている柴村さん。
どこかのグループに入れるだろうか。
なぜか妙な胸騒ぎがする。
もし一人余ってしまうなら、あたしたちのグループに入れてあげよう。
そう思っていた矢先、恐れていたことが起こった。