イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「ほらっ、もういって!早くお昼食べないと。午後も頑張ってね」

「あぁ。でも……」

瑠香にお弁当を渡されて行くように促された彼は私をちらりと見つめる。

私が瑠香に何かすると思われているんだろう。

「大丈夫よ。早くいって」

瑠香の言葉に彼は小さくうなづくと、私たちに背中を向けて駆け出していく。

遠ざかっていく愛している人の後姿に息が詰まる。

どうしてなの?

もう、愛してると言ってくれないの……?

「若菜さん。私はね、中学時代だって自分を負け組だなんて思ったことはないの。もちろん、今もあなたに勝ったとも負けたとも思っていないわ」

「うるさい……!いい気になるんじゃないわよ!!アンタが旦那に浮気された事実は変わらないんだから!どうせまた浮気されるわよ!!」

「いいえ、もうしないはずよ。彼はちゃんと反省して良い父親になろうと努力しているから」

「努力?ふーん、まぁせいぜい頑張れば?」

吐き捨てるように言うと、瑠香はバッグの中から一枚の写真を取り出した。

今朝下駄箱に入っていた写真と同じものだった。

「それ……どうして……」

「この間、うちのポストに入っていたの。それだけじゃないわ。他にもあなたが不倫した証拠が山ほど入ってた」

「そんな……一体誰が!?」

「分からないわ。その証拠、きちんと時系列になって並んでたの。弁護士さんに見せたら、間違いなく慰謝料を請求できるって言ってもらえた」

「……は?」

「来週、お宅に弁護士の先生が伺います」

にこやかにそう言って写真をしまう瑠香。
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