イジメ返し２ ～恐怖の復讐劇～
「なっ……！私、慰謝料なんて絶対に払わないから!!」

「あら、そう。じゃあ、学校にこの写真も見せなくちゃね」

「そ、そんなことしたら、どうなるか分かるでしょ!?私だけじゃなく関先生だって――」

「主人は正規の教職員。あなたは臨時でしょう？どちらを学校がかばうかは一目瞭然よ」

「なっ!!」

「今回のことはうちの主人にも非があるわ。あなたにも悪いことをしたわね。だから、大事にはしたくないの。でも、主人が結婚していることを知っていて関係をつづけたあなたも悪い。だからそれ相応の対価は支払っていただきます。それじゃあ」

瑠香はそれだけ言うと、私に背中を向けて歩き出す。

「ま、待ちなさいよ!!」

「まだなにか？」

「どうしてよ……どうして旦那に浮気されたのに怒ったり泣いたりわめいたりしないのよ!?どうしてアンタは昔からそうなの!?」

バカみたいな正義感を振りかざすうざったい女。

「若菜さん……」

「中学時代の復讐だってできたはずよ!?私をもっともっと苦しめることもできた。それなのにどうして――!!」

私のことを１、２発引っぱたいたってバチは当たらないだろう。

それなのに、瑠香は冷静に浮気をした関先生をかばった。

私に対しても慰謝料を請求するだけ。

自分が正しいと思う道を信じてただひたすら突き進み、自分の意思を曲げることもない。

どんなにイジメても私にひれ伏すことがなかった瑠香。

「中学時代のイジメの復讐？そんなこと考えてもいないわ」

「だけど――」

「私はあなたとは違う。だけど……」

瑠香は一度言葉を切った。

「あなたよりも幸せになることが、最大級の復讐かもしれないわね」

瑠香はそう言うと、にっこりと笑ってわずかに膨らんだお腹をさすった。




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