イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
ジリジリと背中に感じる焦り。
まさか。嫌な予感が全身を駆け巡り、気持ちが急く。
そうだ。こうなったら継父に電話をしてみよう。
何度もかかってきていた番号に電話をかけようとしたタイミングでディスプレイに見知らぬ番号から着信が入った。
「またあの番号……」
ちょうどよかった。継父から電話がかかってきた。
怒りに任せて通話ボタンを押して、耳にスマホを当てると相手の言葉を待たずに叫んだ。
「ちょっと!!いい加減にしてよ!!アンタもお母さんも最低だわ!!娘の30万を持ち逃げするつもり!?絶対に許さないから!!」
「あっ、あの……!!」
予想に反して相手は女性だった。
「あれ……、す、すみません。どちら様?」
「さかき壮の大家です!!若菜さん!?」
さかき壮は住んでいるアパートだった。
切羽詰まったような口調の大家に冷めた声で返す。
「家賃なら毎月支払ってますけど、なにか?」
この忙しい時に一体何だっていうのよ。
苛立つ気持ちを必死に抑えながら言うと、大家はまくしたてるように話した。
「さっきから何度も電話をかけていたんですよ!!今、火事でアパートが燃えてるんです!!」
「……は?」
意味が分からない。火事?さかき壮が?どうして?
「あなたの部屋から出火したのよ!!これから消防の方から連絡があると思うから!お願いしますね!!」
私の部屋から出火?消防?お願いしますね?
大家の言葉がいまいち理解できない。