イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
廊下を歩き下駄箱を目指し歩く。
さっきからポケットの中のスマホはずっと鳴りっぱなしだ。
画面には【お母さん】と表示されている。
着信はもう10件を超えているはず。
そっとポケットにスマホを戻す。
今日は一体何があったんだろうか。
気持ちがずっしりと重たくなり、自然と足元に視線を落とした。
ハァ……。あたし、バカだ。
綾香とマミの誘いに乗ってカラオケに行ってしまえばよかった。
そうすれば、その間だけでも家のことを忘れられたのに。
今頃二人は楽しんでいるに違いない。
ジリジリと背中に感じる焦り。
ギュッと拳をきつく握り締めた時、ドンっと肩に鈍い痛みを感じた。
「いたっ」
顔を持ち上げると、そこには見覚えのある顔があった。
「逢沢さんと……西園寺さん?」
どうして二人が一緒に?
「あっ、みやびちゃん~!カンナのこと知っててくれたんだねぇ~?」
西園寺カンナがキャッキャと嬉しそうにはしゃぐ。
「まぁ……」
両親も祖父母も有名で大金持ちだと転校してきた初日から噂があがった。
校長や教頭だけでなく、先生たちも彼女にはいつも気を遣い、ひいきしてきた。
そんなカンナを綾香もマミも疎ましく思い、よく悪口を言っている。