イジメ返し2 ~恐怖の復讐劇~
「つねられるのって、痛いんだよぉ?カンナねぇ、自分で自分の腕をつねってみたの。そうしたらすっごーく痛くて。涙が出そうだったんだぁ~」
「そ、それがどうしたっていうの!?」
「そんなことしちゃいけないよねぇ~?つねるのも立派なイジメ行為だもん」
「あたしのことを脅迫しようとしてるわけ!?」
目を見開いて声を荒げると、カンナはにっこりと笑った。
「まさか!ただね……」
「ただ、なによ!?」
「みやびちゃんが静子ちゃんをつねるのには理由があるのかなぁって思って。例えば、お母さんにみやびちゃん自身がつねられてる……とか?なーんってねっ!!」
ケラケラと笑うカンナの横で逢沢優亜が複雑そうに眉間にしわを寄せていた。
「う、うるさい!!そんなわけないでしょ!?」
相手にするのもばかばかしい。
怒りに任せて叫んで二人の横を通り過ぎようとした瞬間、誰かの腕があたしの腹部に伸びてきた。
ハッとしたときには遅かった。
わき腹あたりのYシャツを掴まれ、めくりあげられていた。
「やっぱり~!カンナの考え当たってたぁ~~~!!」
飛び跳ねるように喜ぶカンナとその隣で絶句する逢沢優亜。
わき腹には今朝、母につねられた爪の跡がくっきりと残っていた。
「やめてよ!!」
カンナの手を振り払い全速力で駆け出す。