イジメ返し２ ～恐怖の復讐劇～

「呼んだらすぐにきなさいよ！お尻が濡れて気持ちが悪いの！早く取り換えて!!」

和室の扉を開けると、介護用ベッドに横たわる祖母の姿が目に飛び込んできた。

部屋の中は排泄物の匂いが立ち込め、息を止めながら母とともに部屋に入り、満面の笑みを浮かべた。

今、自分がすべきことは母が望むこと。

たとえそれが自分の望まないことであったとしても。

「おばあちゃん、ただいま！」

「あらっ、みやびちゃん。おかえりなさい。ずいぶん早いのねぇ？」

目尻を細めて笑う祖母に微笑み返す。

「うん。おばあちゃんに早く会いたくて急いで帰ってきたの！今日はあたしがおばあちゃんのお世話をしてもいい？」

「お世話って……そんな……孫にしもの世話までしてもらうなんて……」

「大好きなおばあちゃんのお世話だもん！あたしがしたいの！ねぇ、いいでしょ？」

「そうかい……？いつも悪いねぇ」

祖母は困ったように笑うと、母に視線を移した。

「嫁のアンタは最低最悪だけど、娘はいい子に育ったねぇ。やっぱり健司の血が入ってるからかしらね。チッ。そんなところに突っ立ってないであっちにいっておくれ！早く出て行け！」

祖母は枕の横に置いてあったタオルを掴むと、母に投げつけた。

「……みやび、あとはよろしくね」

母は力なくあたしにそう言うと、部屋を出て行った。

でも、あたしは知っていた。

母が憎々しげにエプロンの裾を握りしめ、怒りに耐えていたことに。

「じゃあ、おばあちゃん。お尻綺麗にしよう」

今日の母は一段と機嫌が悪そうだ。

「ありがとう、みやびちゃん」

みやびちゃん、なんて呼ぶな。アンタのせいであたしがどんな目にあっているか知らないくせに。